
次に直前の勤務先を、Uターン経験の有無別にみると(図表4-8)、製造業でUターン経験者の比率が高い一方、卸売・小売業ではUターン経験者の比率は低く、また、前職が官公庁や公益法人の者の中にはUターン者はいないことがわかった。 
4. 転職者の規模間移動 ここでは転職者がどのような従業員規模の間の企業を移動したかをみてみよう。まず、現在の勤務先の従業員規模別に直前の勤務先の従業員規模をみたのが図表4-9である。この表から次の点が指摘できる。まず第一に、現在の勤務先の従業員規模が30〜99人の層では、直前の勤務先が29人以下という小規模企業であった者の比率が40.0%に達している。つまり、小規模間での移動が多いということである。第二に、現在の勤務先の従業員規模が1,000人〜2,999人の大企業の層では、直前の勤務先の従業員規模が3,000人以上という比率が40%を超える高い数値になっている。以上のことから、転職者の従業員規模間の移動では、?@比較的小規模間を移動するパターンと?A1000人以上の規模の企業を移動するパターンの二つのパターンが顕著であることがわかった。 
それでは、こうした規模間の移動パターンはUターン経験の有無別にみるとどのようになるであろうか。ただし、サンプル数が少ないという制約条件もあることから、Uターン経験の有無別の規模間移動をクロス集計を使って分析するのは難しい。そこでまず(1)Uターン経験の有無別の規模間移動の相関をみることにより、移動の傾向をつかみ、さらに(2)移動を単純に図式化するために、Uターン経験の有無別の現在ならびに直前の従業員規模を集計することによって、
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